2026-09-05
山万ユーカリが丘線に乗った
日本で第三セクターを除く民間企業が運営しているAGTは、2路線しかない。1つは西武鉄道山口線、もう1つは山万ユーカリが丘線。とくに後者の山万ユーカリが丘線は、山万株式会社という不動産の会社が経営していて、ほかの鉄道路線は持っていないところが唯一無二。
AGTとは「Automated Guideway Transit」の頭字語。全自動の無人運転が可能で、専用の高架軌道をゴムタイヤで走行する。日本だと山万ユーカリが丘線以外にもいくつかあって、神戸のポートアイランド線や六甲アイランド線、東京のゆりかもめとか。

山万ユーカリが丘線は、京成電鉄のユーカリが丘駅から伸びている。京成の改札を出たら、歩いて3分ほどで乗り場に着く。交通系ICカードは使えない。改札脇に設置してある自動券売機で切符を買い、QRコードをスキャンしてホームに入る。


1時間に3〜4本の発車間隔。1971年から山万が開発しているニュータウンであるユーカリが丘[1]の街をぐるっとまわっている。街の全ての住居から徒歩10分以内で駅に着く設計だそう[2]。
乗車すると、想像よりもずっと普通の「電車」らしい内装でびっくりする。座席は赤色のロングシート。地元で慣れ親しんだ近鉄を思わせる。運転手さんが先頭車両に乗り込み、発車すると、意外にガタガタと小刻みに揺れながら走り出すからちょっと笑った。

たった14分で1周できる小さな路線。駅の名前が「公園駅」「女子大駅」「中学校駅」など、一般名詞すぎるのも個性。ユーカリが丘の街の女子大であり、ユーカリが丘の街の中学校だから、一意に定まるんだね。なお、女子大駅は和洋女子大の移転を見込んだ命名だったが実現せず、キャンパスは存在しないそう[3]。
ユーカリが丘に戻るひとつ手間、地区センター駅で降車。赤と緑の2色を基調にした駅舎、階段の踊り場から眺めると美しい構造が見えた。近くのイオンタウンユーカリが丘に寄る。イオンタウンらしいことをしたくてフードコートに行き、シュガーバターのクレープを食べた。

ユーカリが丘線の運営は赤字だが、路線があることで利便性が向上し、人が集まり、地価の向上につながる。総合すれば山万の利益。事業は、複数の要素がシナジーを生むことが大切。シナジーって言葉はなんとなくきらいだったが、ユーカリが丘線に乗ってシナジーのなんたるかを少し理解できた気がする。

注釈
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高齢化など逆風多いニュータウンなのに人口増続く千葉・ユーカリが丘。モノレール・子育て支援施設・農園まで住民のために”自給自足”し続け50年、時代の壁に挑む 山万|SUUMO ジャーナル https://suumo.jp/journal/2024/07/12/203436/ ↩
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山万ユーカリが丘線とは|ユーカリが丘 公式タウンポータルサイト https://town.yukarigaoka.jp/yukariline/about/ ↩
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公園、女子大…ストレートすぎる駅名 ユーカリが丘線愛され40年|朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASQ3Y52FQQ3HUDCB011.html ↩